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生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)222

講演者 河村 菜々美 (大学院生(D3/D5 心生物学研究室(八木研))
演題 局所神経回路の違いによるパルブアルブミン陽性抑制性神経細胞の分類とクラスター型プロトカドヘリンガンマの関係性
講演者 星野 七海 (大学院生(D3/D5 心生物学研究室(八木研))
演題 クラスター型プロトカドヘリンのホモフィリック相互作用の可視化
日時 2019年9月19日(木)12:15〜13:00
場所 生命システム棟2階セミナー室
世話人 世話人:木津川 尚史(生命機能研究科 心生物学研究室・准教授)
Contact:Takashi Kitsukawa (FBS Kokoro-Biology Group/Assoc.Prof.)
Tel :06-6879-7991
E-mail: kit@fbs.osaka-u.ac.jp
言語 日本語








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演題/要旨

局所神経回路の違いによるパルブアルブミン陽性抑制性神経細胞の分類とクラスター型プロトカドヘリンガンマの関係性

私たちの意識や行動は神経細胞の電気的活動により生じている。この電気的活動は、各細胞同士の特異的シナプス結合によって形成された局所神経回路により制御され、個々の回路がそれぞれ情報処理を担っていると考えられている。ラットの視覚野において、興奮-抑制性神経細胞間に特異的な双方向性結合関係の存在が発見された。双方向性結合は局所回路の最小単位であり、行動・短期記憶・意志決定に重要な逐次的神経活動を生み出す重要な閉回路と考えられているが、その最小単位の回路形成メカニズムについても未だに明らかになっていない。近年、マウスの大脳皮質体性感覚野において、興奮性神経細胞間の特異的な双方向性結合形成に膜貫通型細胞接着分子であるクラスター型プロトカドヘリン(cPcdh)が関与していることが示された。cPcdhは、個々の神経細胞ごとに異なるcPcdh分子を発現している多様化膜認識分子でもあり、さらにcPcdhの3つの遺伝子クラスターの一つであるcPcdhγは、抑制性神経細胞において重要な役割を果たすことが明らかになっている。そこで本セミナーでは、ホールセルパッチクランプ法を用いて新たに明らかになった、興奮性神経細胞と抑制性神経細胞の一種であるパルブアルブミン(PV)陽性細胞間に形成される局所神経回路の存在と、PV陽性細胞におけるcPcdhγと特異的回路形成の関係性を紹介する。

クラスター型プロトカドヘリンのホモフィリック相互作用の可視化

脳は複雑な神経回路から形成されているが、神経回路における神経細胞間の結合はランダムではなく、特異的に結合が形成されていることが知られている。そのような特異的な神経回路の形成においては、神経細胞が互いを認識するための膜認識分子が重要な機能を担っていると考えられている。その候補となる分子群のひとつがクラスター型プロトカドヘリン(cPcdh)である。この分子群は58のアイソフォームから成り、厳格なホモフィリック相互作用により、transに細胞間で接着分子として働くことが知られている。しかしながら、これまで細胞内の「どこで・どのような時に」このホモフィリック相互作用が起きるのかを検出することは技術的に困難であり、cPcdhが膜認識分子としてどのように機能するかが明らかにされてこなかった。そこで我々はcPcdhのホモフィリック相互作用を可視化するため、Forster共鳴エネルギー移動(FRET)を利用したイメージングの実験系構築を行った。コロキウムでは、培養細胞K562を用いて明らかになったcPcdhのホモフィリック相互作用の性質を紹介し議論しようと思う。また現在、我々は神経細胞においてホモフィリック相互作用の観察を試みているので、紹介したい。


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