おもろい研究!君ならできる、ここでできる|新しい生物学・生命科学を拓く大学院|大阪大学大学院生命機能研究科

English

生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)221

講演者 山口新平 (助教(医学系研究科幹細胞病理学(仲野研))
演題 始原生殖細胞におけるヘテロクロマチン・リモデリングのメカニズムと役割
講演者 北 加奈子 (日本学術振興会特別研究員 RPD/生命機能研究科 病因解析学研究室(仲野研))
演題 マウス胎仔期精巣におけるMIWI2結合タンパク質の新規同定とその機能解析
日時 2019年9月12日(木)12:15〜13:00
場所 生命システム棟2階セミナー室
世話人 世話人:山口 新平(医学系研究科幹細胞病理学(仲野研)・助教)
Name:Shipnei Yamaguchi    
Tel :06-6879-3722
E-mail:yamaguchi@patho.med.osaka-u.ac.jp
言語 日本語












※クリックで写真拡大

演題/要旨

始原生殖細胞におけるヘテロクロマチン・リモデリングのメカニズムと役割

セントロメア近傍のペリセントロメア領域は、細胞分裂や発生を通じて高度に凝集した構成的ヘテロクロマチン状態を維持している。しかし、卵子や精子のもととなる始原生殖細胞では、ゲノムワイドな脱メチル化が生じるなど、ヘテロクロマチン状態が大きく変化する。このようなエピジェネティック状態が大きく変化する発生段階で、構成的ヘテロクロマチンがどのように変化し、その変化がどのような役割を担っているのか、は不明であった。我々は、始原生殖細胞のペリセントロメア領域では、条件的ヘテロクロマチン様の特徴を獲得する“ヘテロクロマチン・リモデリング”が生じていることを見出した。ES細胞やTet1欠損マウスを用いた実験から、ヘテロクロマチン・リモデリングはメチル化シトシン酸化酵素Tet1依存的に生じていること、および、ペリセントロメアの集合に機能していることがわかった。減数分裂前期に生じるペリセントロメアの集合は正常な減数分裂に必須の機能を果たしており、Tet1によるヘテロクロマチンリモデリングは低メチル化状態で減数分裂を進行させる鍵となっていることが示唆されている。本セミナーでは、Tet1の未知の機能について紹介、議論したい。

マウス胎仔期精巣におけるMIWI2結合タンパク質の新規同定とその機能解析

小分子RNAは遺伝子発現制御に重要な役割を担っており、その異常は発生停止や疾患に繋がる。我々は、小分子RNAの中でも生殖細胞特異的に発現しているpiRNA(PIWI-interacting RNA)に着目し、研究を行ってきた。piRNAは内在のレトロトランスポゾンから宿主のゲノムDNAを保護する“ゲノムの守護者”として機能することで、生殖細胞の発生・分化に必須の役割を担っている。piRNAの生合成には、マウスPIWIタンパク質であるMILI(Mouse PIWI like)と、MIWI2(Mouse PIWI2)が必要である。我々の研究室では、これらのマウスPiwiファミリー遺伝子の改変マウスを用いた解析から、piRNAの大部分はレトロトランスポゾン由来であり、その役割はレトロトランスポゾンDNAのメチル化による発現抑制であることを見出した。しかしながら、その詳細な分子機構には未だに未解明な点が多く残されている。本セミナーでは、MIWI2との結合タンパクとして新規に同定したMORC3の胎仔期雄性生殖細胞における機能的役割について最新の知見を報告する。


一覧へ戻る