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生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)207

講演者 姫野 友紀子 (助教・立命館大学 生命科学部 生命情報学科)
演題 仮想時空間に心機能を再現する生体機能シミュレーター“e-Heart”
日時 2019年3月20日(水)12:15〜13:00
場所 生命システム棟2階セミナー室
世話人 世話人:竹内 裕子(生命機能研究科 生理学研究室・准教授)
Contact:Hiroko Takeuchi        
Tel :7996
E-mail: hiroko@fbs.osaka-u.ac.jp












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演題/要旨

仮想時空間に心機能を再現する生体機能シミュレーター“e-Heart”

我々の心臓は、全身に血液を循環させるためのポンプとして絶えず動き続けている。心臓のリズミックなポンプ機能を発揮するのに重要なのは、洞房結節ペースメーカー細胞による自発興奮と心筋細胞による発生張力であり、それらを司るのが細胞内イオンメカニズムである。細胞は脂質二重膜でその内外を隔てられており、イオンは膜を貫通するイオンチャネルや輸送体などの膜タンパクの働きによって細胞の内外を行き来する。一つの細胞の細胞膜には数十種類ものイオンチャネルや輸送体が発現しており、この密度や分布によって、細胞の電気的な活動が特徴付けられることになる。しかし、各イオンチャネルや輸送体の活性は膜電位や細胞内外のイオン濃度等によって複雑な制御を受け、しかも時々刻々と変化するため、ある時点での各電流の大きさを見積もったり、またその寄与の大きさを議論したりするのは極めて困難である。そこで我々は、イオンチャネルや輸送体による各電流成分を数式化し、それらを統合することによって細胞の電気活動を再現する細胞モデルを開発した。モデルを用いれば、すべてのパラメータの動きが数値化されるため、イオンメカニズムを定量的に理解することが可能である。そして、その細胞モデルが発生する収縮力を駆動力として心周期を再現できる循環モデルも開発した。今回は、背景となる実験データを紹介しつつモデルの成り立ちを説明し、心機能を再現するシミュレーターを実行することで、心機能のダイナミズムを実感していただけるような発表をおこないたい。

実施報告

 生命機能研究科システム棟2階セミナー室 およびラウンジにて、第207回生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)を開催し、今回は立命館大学・生命科学部・生命情報学科から姫野友紀子助教にお越し戴き、心臓機能に関する研究の一助になる、細胞レベルのイオンの動向からイオンチャネルの活性などをベースとして開発した「仮想時空間に心機能を再現する生体機能シミュレータ"e-Heart"」をご紹介いただきました。特に、今回は最新のシュミレーターで何が分かるのか、どこまで見えるのか、どのように応用できるのか、などにスポットを当てて、お話し戴きました。心臓は全身に血液を循環させるためにリズミックなポンプとして絶えず働いています。重要なパラメータとして、洞房結節ペースメーカー細胞による自発興奮や心筋細胞による発生張力はもとより、心筋細胞膜に発現している複数のイオンチャネルや細胞内イオンメカニズムがあげられます。各イオンチャネルや輸送体の活性は膜電位や細胞内外のイオン濃度等に複雑な制御を受けるため、その反応は複雑であり、分野外の研究者や修学初心者には分かりにくいことから、姫野先生らは、イオンチャネルや輸送体による各電流成分を数式化し、それらを統合することによって細胞の電気活動を再現する細胞モデルを開発されています。この心機能を再現するシュミレーターを用いれば、関与するパラメータの動きが数値化されるので、イオンの働きを定量的に理解することが可能となります。更に、基礎的な心臓の機能を学ぶことができるだけではなく、将来的に製薬分野・創薬分野にも応用できると考えられ、有用なシュミレーターであることが分かりました。。今回の参加者は23名であり、学生の講義期間外にも関わらず、参加した学生やスタッフからの質疑応答も活発で、コロキウム終了後も先生への質問が長く続きました。非常に盛況のうちに会を終えることができ、今年度最後回のコロキウムが終了しました。


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