おもろい研究!君ならできる、ここでできる|新しい生物学・生命科学を拓く大学院|大阪大学大学院生命機能研究科

English

生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)37

講演者 金子 章道 教授 (畿央大学大学院・健康科学研究科)
演題 「プロトンをメディエーターとする網膜側抑制のメカニズム」
講演者 竹内 裕子 助教 (生命機能研究科 生体ダイナミクス講座・生理学研究室)
演題 「生体ナノチューブ嗅覚シリア内の分子ダイナミクス」
日時 2008年 3月12日(水) 午後5~7時
場所 大阪大学生命機能研究科ナノバイオロジー棟・3階セミナー室
世話人 倉橋 隆
Tel: 06-6850-6540
email: kurahasi@fbs.osaka-u..残りを追加












※クリックで写真拡大

実施報告

 第37回生命機能研究科研究交流会では、畿央大学大学院健康科学研究科の金子章道教授をお招きし、「プロトンをメディエーターとする網膜側抑制のメカニズム」というタイトルで特別講演を行っていただきました。
 金子教授は網膜における光受容と視覚情報処理研究の第一人者であり、現在も畿央大学教授の職国際生理科学連合(IUPS)会長として活躍を続けられています。講演は、本題に先立ち紹介された、脊椎動物の視細胞から最初に光応答を記録し細胞染色を行ったときのお話などには、参加者からもっと詳しく聞きたいというリクエストが出されるなど、終始活発な雰囲気の中進められました。今回は、視覚系において目で見た像の輪郭が強調されコントラストを高める働きをする、ニューロンの受容野周辺からの側抑制の機構についてお話しいただきました。受容野周辺からの側抑制の形成には、水平細胞から視細胞へのネガティブ・フィードバックが関与していると考えられています。その機構として従来考えられていたGABAを介するという仮説を退け、金子教授のグループが提唱するプロトン(H+イオン)を介するという仮説を、水平細胞からH+ポンプを介してプロトン(H+イオン)が放出されていることを明らかにすることで裏付けた過程を、詳細に説明して下さいました。金子教授の論理的な実験系の組み立てが垣間見られる、興味深いお話でした。講演後も参加者から途切れることなく質問やコメントが続き、時間を大幅にオーバーするほどで、有意義な議論が交わされました。
 続いて、金子教授の慶應大学時代の弟子でもある、ホスト研究室の竹内裕子助教により、「生体ナノチューブ嗅覚シリア内の分子ダイナミクス」と題して講演が行われました。嗅細胞で匂い受容を担うシリア(嗅繊毛)内において、定量的に信号増幅機構や分子局在を解明することで、匂い情報伝達のメカニズムの解明に取り組んでいる研究が紹介されました。
 講演終了後に設けられた懇親会会場でも金子教授を囲んで意見交換が続き、和やかな交流会となりました。(文責 大井華子)


一覧へ戻る