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生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)32

講演者 西田 宏記 教授 (大阪大学大学院・理学研究科)
演題 「初期発生における細胞分裂    ~Unequal cell divisionとAsymmetric cell divisionのしくみ~」
講演者 山本 正道 助教 (生命機能研究科・浜田研究室)
演題 「マウス体軸形成のメカニズム~頭尾軸(前後軸)について」
日時 2007年 9月12日(水) 午後5~7時
場所 大阪大学生命機能研究科ナノバイオロジー棟・3階セミナー室
世話人 浜田 博司
Tel: 06-6879-7994
email: hamada@fbs.osaka-u.残りを追加












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実施報告

 今回は、ホヤの発生学で大変有名な西田宏記教授を本学の理学部からお招きしました。
前半は、今回当番の濱田研究室から山本正道助教が、マウス胚の体軸形成について話しました。
マウス胚の前後軸というのは、受精後5日目ころにDVE(遠位臓側内胚葉)とよばれる組織が形成され、周辺組織との性質の違いがうまれ、これが胚の将来の前方へと移動し、将来の頭を形成する領域が決まります。
このDVEの形成や移動の詳しいメカニズムはまだよくわかっていませんが、山本先生はいくつかのTGF-bスーパーファミリーに属する因子のシグナルが複雑にクロストークして起こることを明らかにされ、これまでの実績と最新の実験結果についてお話いただきました。
 後半ではゲストの西田先生にホヤの発生における不等分裂と非対称分裂というテーマでお話いただきました。
非対称分裂は、2つの娘細胞で性質(分化能)の異なるものがうまれる細胞分裂を示します。ホヤの受精卵はモザイク卵で、1細胞期の細胞質内ですでに分化に関わる因子が局在し、特定の割球にしか受け継がれないということが知られていました。
西田先生は筋肉細胞への分化を誘導する分子の特定および局在を数年前に明らかにされ、macho-1(マボヤのちょ~おもしろい遺伝子1)という遺伝子名をつけたという有名な?お話もして頂きました。他の局在遺伝子PEMなども、なぜか全てmacho-1同様の局在パターンを示すというのは不思議なことです。本当に他の局在パ ターンを示すような遺伝子は存在しないのでしょうか??
一方、不等分裂は娘細胞の大きさが異なるケースで、Centrosome Attractive Body(CAB)とよばれるものがどうやら細胞分裂 (卵割) 期に片方のスピンドルを引き寄せ不等分裂を引き起こし、ついでにPEMなどの分化因子の局在もコントロールしている??など、細胞生物学的にも非常におもしろい研究を紹介されていました。
最後にはmacho-1やFGFもからめたいくつかの因子が複合的に働いて、ある環境を作り出し、特定の細胞系列へと分化していく例をご説明して頂きました。
全体を通して、西田先生のズシっと響く低い声に、丁寧な解説がつき、なじみのない人たちにとっても発生っておもしろい!と思わせてくれるすばらしい内容だったと思います。
 その後の懇親会も学内からのゲストであったことからか、最後まで西田先生にも残って頂き、楽しく交流することができました。


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