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生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)35

講演者 濱 清 名誉教授 (自然科学研究機構 生理学研究所)
演題 「グリア細胞の3次元構造に付いて」
講演者 田中 大介 (生命機能研究科 脳神経工学講座 村上研究室)
演題 「大脳皮質の歩き方 -移動中抑制性神経細胞のタイムラプス観察-」
日時 2007年 12月5日(水) 午後5~7時
場所 大阪大学生命機能研究科ナノバイオロジー棟・3階セミナー室
世話人 村上 富士夫
Tel: 06-6879-4655
email: murakami@fbs.osaka-u..残りを追加

実施報告

 今回の生命機能研究科研究交流会は始まる前から人の多さに圧倒された。濱清先生の講演は期待以上のものだった。濱先生の電子顕微鏡写真は本当に素晴らしいもので、まるで「生きた細胞」を見ているかのようだった。電子顕微鏡は高度な分解能を持つかわりに、試料を薄い切片にしなければならないという難点があり、立体的な三次元構造を観察するのは難しい。しかしながら、濱先生は超高圧電子顕微鏡を駆使し、厚い試料切片を左右に傾けながら連続撮影し、立体構造を構築することでその問題を見事に解決した。講演でのお話は中枢神経系のグリア細胞、特にアストロサイト(星状膠細胞)の顕微鏡写真が中心であったが、その網目状に細かく広がった複雑な突起の一つ一つがきれいに写し出されていた。
 講演の前にホスト研究室の村上先生も御紹介されたが、濱先生の御寄稿の中に「顕微鏡写真は、微少な世界の形態を見るだけだと思われがちですが、本当によい写真にはそこにある物質やその機能についての情報まで含まれています。必要な情報ができるだけたくさん入っていて、しかもきれいな写真。こういう写真を見ると私はバベットの食卓を思い出します。本物を見ることができる喜びです。でもこういう写真は、千載一遇のチャンスを得て、やっと撮れるのです。何年間も標本を見ていても、薄い切片の中で、自然の構造がその意味をもっともよく示してくれるパターンに出会う確率は限りなくゼロに近く、まさに一期一会です。」という言葉がある。形態学に少しでも従事する者の一人として、私はその言葉に深く感銘を覚えた。そして濱先生のように、その時々得られた顕微鏡写真をもっとよく見ることでそこから何か導き出されるものがあるのではないかと思い、今後の研究に生かしたいと思う。数多くの写真を見せていただく中で、濱先生がどれほどこのお仕事に熱意を傾けられてきたのかが理解できた。
 同時講演では、ホスト研究室の田中大介博士により、大脳皮質内GABA作動性介在性神経細胞が行う、さまざまな移動が紹介された。大脳皮質辺縁層で行ったり来たりとさまよった動きを見せるGABA作動性介在性神経細胞の珍しい動きに一体どのような法則や作用があるのかということに興味が注がれ、活発な討論が行われた。


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