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生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)33

講演者 平岡 泰 教授 (生命機能研究科・細胞ネットワーク講座)
演題 「細胞核の機能構造:染色体が核膜に出合うとき」
講演者 原口 徳子 主任研究員 ((独)情報通信研究機構 生物情報プロジェクト)
演題 「細胞核の機能構造:核膜が染色体に出合うとき」
日時 2007年 10月10日(水) 午後5~7時
場所 大阪大学生命機能研究科ナノバイオロジー棟・3階セミナー室
世話人 平岡 泰
Tel: 078-969-2240
email: yasushi@nict.残りを追加












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実施報告

 平成19年10月から生命機能研究科に着任した平岡泰、および、その長年にわたる共同研究者である情報通信研究機構未来ICT研究センターの原口徳子主任研究員による講演がおこなわれた。平岡自身が世話人であったが、今回は「特例」として、新任となる平岡のお披露目という形での講演となった。
 第一幕と題された平岡の講演では、染色体の配向構造が体細胞分裂間期と減数分裂前期で逆転するという現象を紹介した。中でもテロメアがスピンドル極体(動物細胞における中心体に相当)に集合する仕組みについて、分裂酵母をモデルとした生細胞イメージングとゲノムワイドスクリーニングを軸とした解析によって、その分子機構までが解明された経緯が解説された。また、核膜上にあるSUN-KASHファミリータンパク質複合体が減数分裂特異的に発現するコネクター分子(Bqt1-Bqt2)を介してテロメアと相互作用し、さらにそれが細胞質微小管とモータータンパク質の働きによってスピンドル極体に集合するという仕組みが明らかとなった。SUN-KASHファミリー複合体という共通の因子を介した同様の機構が、分裂酵母のみならず線虫、マウス、ヒトでも保存されていることは興味深い。
 ひき続き、第二幕として原口主任研究員による講演が行われた。講演は、核膜内膜タンパク質の解析を中心とした核膜形成機構の研究を皮切りに、人工微小核形成の試み、テトラヒメナの2つの細胞核をモデルとした核を識別する仕組みへのアプローチへと展開した。人工微小核形成はオートファジーのシステムとの関連が示唆され、今後の研究の広がりを予感させた。また、テトラヒメナ細胞核の研究では、大核と小核では核膜孔複合体の構成が異なっていることが明らかとなったことが興味深い。核膜が、核と細胞質を隔てる構造であるだけではなく、細胞核および細胞の機能に極めて重要な役割を果たしていることが十分に伝わる講演となった。
 最後に両講演の締めくくりとして、情報通信研究機構において培われてきた蛍光顕微鏡イメージング技術が生命機能研究科における研究活動にも貢献できる可能性を提案し、異分野融合コラボレーションを歓迎するメッセージを以て終幕とあいなった。
 追記(カーテンコール): 講演後の懇親会でも私たちの研究に興味をもってくれた方々から熱心な質問・議論が寄せられた。おかげで両演者とも食事にありつく間もないほどであったが、このような反応はむしろ大歓迎である。また、懇親会は、勝手のわからない平岡に代わり、仲野研究室の差配によって滞りなくおこなわれました。この場を借りて感謝申し上げます。


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