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生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)176

講演者 中條 浩一(大阪医科大学医学部生理学教室・准教授)
演題 「蛍光イメージングによるイオンチャネル複合体の構造と機能の解析」
日時 2017年12月12日(火)12時15分〜13時
場所 生命機能研究科 生命システム棟2階セミナー室&ラウンジ
世話人 世話人:竹内裕子(生命機能研究科・准教授)
Tel:06-6879-7996
E-mail:hiroko@fbs.osaka-u.ac.jp












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【講演案内】

演者:中條 浩一(大阪医科大学医学部生理学教室・准教授)

所属:大阪医科大学医学部生理学教室
  
演題:「蛍光イメージングによるイオンチャネル複合体の構造と機能の解析」

要旨:
電位依存性イオンチャネルは、神経や筋肉といった興奮性細胞で電気シグナルを担う重要な膜タンパク質である。四量体(あるいは四量体様)構造を持ち、4つの電位センサードメイン(VSD)を持つ。ほとんどの場合、チャネル本体を構成するαサブユニットの他に修飾サブユニットが存在し、チャネルの開閉(ゲーティング)に大きな影響を及ぼすことがある。心臓のカリウムチャネルKCNQ1は、このようなイオンチャネル複合体を研究する上で良い対象である。というのも、ヒトの心臓においてはKCNE1という修飾サブユニットが結合することで、KCNQ1チャネルのゲーティングを100倍程度も遅くするのである。実際KCNQ1-KCNE1複合体は心臓の「遅い」カリウム電流を担っており、心臓の興奮性において重要な役割を持つ。この遅いゲーティング機構を理解するために、2つの蛍光イメージング法を導入した。1つ目は、一分子蛍光イメージングを用いてチャネル複合体中のそれぞれのサブユニットの数を「数える」手法であり、これによってKCNQ1-KCNE1複合体のストイキオメトリーを決定した。2つ目は、イオンチャネルのVSDに蛍光分子を付けることで構造変化を検出する手法であり、これによりKCNE1存在下でVSDの動きにどのような変化が起きたかを解析した。以上のデータが、クライオ電顕により近年明らかになったKCNQ1チャネルの構造データと比較し、どのように解釈されるかも検討したい。

【実施報告】
 生命機能研究科システム棟2階セミナー室 およびラウンジにて、第176回生命機能研究科研究交流会(コロキウム)を開催しました。今回は、大阪医科大学医学部生理学教室から中條浩一准教授にお越し戴きました。先生のご研究の中でも、特に、2つの新しい蛍光イメージング手法と電気生理学的手法を組み合わせたアプローチで行ったKCNQ1/KCNE1複合体の分子構成決定と機能解明についての内容を「蛍光イメージングによるイオンチャネル複合体の構造と機能の解析」というタイトルでご講演戴きました。
 心臓の規則正しい収縮には多くのイオンチャネルが関与します。Kチャネルの中でも、電位依存性KチャネルであるKCNQ1とそのゲーティングを調節するKCNE1が複合体を形成することで生じる遅い電流は機能調節に必須です。そこで、まず、KCNQ1/KCNE1複合体の構造同定では、一分子蛍光イメージングを用いてチャネル複合体中のそれぞれのサブユニットの数をカウントする手法を用い、退色の段階数によってKCNQ1/KCNE1複合体のストイキオメトリーを決定した結果、従来の2分子結合説ではなく、4分子が結合しうることを証明されました。次に、チャネルを開きにくくする分子機構解明では、電位依存性Kチャネルの電位センサー部分に細胞外から蛍光分子を付けて構造変化を検出する手法が用いられました。電位センサードメインの動きを蛍光強度変化で捕らえ、イオンチャネルの活性を電流で測定し、両者を比較した結果、KCNQ1/KCNE1チャネルでは大きな遅延があること、更にその遅延がフェニルアラニン残基に起因することを発見されました。
 学生やスタッフからの質疑応答も非常に活発で、コロキウム終了後も先生への質問が続きました。また、今回の参加者は67名であり、非常に盛況のうちに会を終えることができました。



世話人:竹内裕子(生命機能研究科・准教授)
Tel:06-6879-7996
E-mail:hiroko@fbs.osaka-u.ac.jp


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