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生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)106

講演者 相賀裕美子 ((国立遺伝学研究所 系統生物研究センター 発生工学研究室/総合研究大学院大学 遺伝学専攻(併任):教授))
演題 「卵が先か精子が先か? ~マウス生殖細胞の性分化機構~」
日時 2015年3月13日(金)16時00分〜17時00分
場所 生命機能研究科 生命システム棟2階セミナー室
世話人 世話人:宮川さとみ(生命機能研究科 特任講師)
Tel:06-6879-3722
E-mail:smiya@fbs.osaka-u.ac.jp












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実施報告

 2015年3月13日、第106回生命機能研究科研究交流会が催されました。今回は、国立遺伝学研究所系統生物研究センター発生工学研究室および総合研究大学院大学遺伝学専攻の相賀裕美子教授に生殖細胞の性分化についてお話をしていただきました。
生殖組織の体細胞や生殖細胞は、個体の発生に伴ってそれぞれの性に分化します。以前より、生殖細胞の性は周囲の体細胞からのシグナルにより決定することが知られていましたが、生殖細胞においてどのような因子がこの性決定に寄与しているのかは明らかになっていませんでした。相賀先生は、マウスの雄性生殖細胞に特異的に発現するNanos2が、生殖細胞の減数分裂を抑制し雄化へと誘導する因子であることを明らかにされました。また、Nanos2がdeadenylation複合体を形成することから、Nanos2による標的RNAの分解がこの雄化の制御に関わっていることを示唆されました。さらに、Nanos2はその上流のNodalにより制御されますが、このNodalが雌の体細胞で発現するレチノイン酸やBMPにより抑制されていることを明らかにされました。これら相賀先生の一連の研究により、体細胞では雌の性がデフォルトであり雄化決定因子により雄へと誘導されるのとは逆に、生殖細胞の性は雄がデフォルトでレチノイン酸やBMPなどの雌化シグナルにより雌への分化が誘導されることが示唆されました。
相賀先生には、Nanos2の他にも体細胞・生殖細胞の性分化にまつわる様々な因子を体系的に紹介していただき、大変内容の濃い1時間となりました。質疑応答は様々な切り口からの質問で盛り上がり、懇親会でも活発に意見交換が行われました。

修士課程2年 石井智佳


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