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生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)102

講演者 佐藤悠佑 ((京都大学大学院医学系研究科・特定助教))
演題 「Cushing症候群におけるプロテインキナーゼAの変異とその機能的意義」
講演者 持田悟 ((熊本大学大学院先導機構・特任助教))
演題 「リン酸化の可逆性が生み出す細胞分裂周期の制御」
日時 2014年11月5日(金)16時00分〜18時00分
場所 生命機能研究科 ナノバイオロジー棟3階セミナー室
世話人 世話人:塚本蔵(生命機能研究科 助教)
Tel:06-6879-3492
E-mail:tsuka@medbio.med.osaka-u.ac.jp












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実施報告

2014年11月5日に題102回生命機能研究科研究交流会が開催されました。今回は、京都大学大学院医学系研究科主要生物学講座の佐藤悠佑先生と熊本大学大学院先導機構の持田悟先生の2名の若手の先生に御講演くださいました。

最初の演題は、佐藤先生に「Cushing症候群におけるプロテインキナーゼAの変異とその機能的意義」について御講演頂きました。佐藤先生は7年間の泌尿器科医としての勤務の後、泌尿器科領域における腫瘍のゲノム解析をテーマに研究を開始されました。代表的な内分泌疾患であるCushing症候群のなかでも、その分子病態が不明である副腎皮質刺激ホルモン非依存性Cushing症候群を生じる副腎腺腫に着目し、同疾患8症例の副腎腺腫および正常組織(血液)からDNAを採取し、全エキソン塩基配列解析を行いました。驚くべきことに、その半数以上の症例にプロテインキナーゼA(PKA)の触媒サブユニットをコードするPRKACA遺伝子にLeu206がArgに置換した変異が同定されました。この変異によりPKAの触媒サブユニットと制御サブユニットの間の結合が阻害されるため、触媒サブユニットが常に遊離した状態となり、cAMP非依存的にPKAが常に活性化することを明らかにされました。副腎皮質刺激ホルモン非依存性Cushing症候群の分子病態を解明された大変インパクトのある研究と思われました。

2題目の演題は、持田先生に「リン酸化の可逆性が生み出す細胞分裂周期の制御」について御講演頂きました。細胞膜、核膜のない無細胞系でも細胞周期が忠実に進行するアフリカツメガエル卵抽出液を用いて、M期進行をコントロールする脱リン酸化酵素の存在の発見、分子実体の解明、タイミングよく阻害される脱リン酸化酵素活性調節のメカニズムなど、目がくらむような美しい数々の生化学データをもとにご紹介いただきました。また「特異性が少ない、阻害することが難しい」と一般の研究者に思われている脱リン酸化酵素の真実の姿、リン酸化酵素、脱リン酸化酵素の2者からなる細胞周期進行の閾値形成に関する持論を展開され、非常に刺激的なお話をしていただきました。

生命機能研究科 助教 塚本 蔵


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