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"「心臓は左」の謎 突き止めた"朝日新聞20100216

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朝日新聞(20100216)より


「心臓は左」の謎 突き止めた

 心臓や胃が体内で左に偏ったところに位置しているなど、内臓が左右対称にならない仕組みを、大阪大学の濱田博司教授(発生生物学)らの研究グループが解明した。受精後の胚の細胞にある繊毛を調べたところ、その生える位置が細胞の後ろ側に偏ることで、繊毛の回転する軸が傾き、羊水に左向きの水流が生じるためという。新生児の心臓病の原因の解明などに役立つという。

 研究グループの橋本昌和さんが、マウスの胚を使って実験した。その結果、腹にできるくぼみの部分の繊毛の生える位置を決める細胞内の小さな器官が、最初は細胞の中にばらばらにあったが、受精から約8日後にはしっぽ側に移動していることを突き止めた。そうした器官の位置を決める遺伝子がないマウスは水の流れができなかった。これまでは、繊毛の回転軸が後ろ側に傾く仕組みが分かっていなかった。

 繊毛は人間の内耳の細胞などにも生えている。濱田教授は「繊毛の働きに異常があると、心臓や血管に奇形を起こしたり、難聴になるなど様々な病気を引き起こす。今回の成果がこうした病気の原因の解明につながるはずだ」と話す。英科学誌ネイチャーセルバイオロジー電子版で公開された。(坪谷英紀)


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