大阪大学大学院 生命機能研究科

English

ダイナミックブレインネットワーク研究室〈北澤教授〉

セミナー

20131119

 University of Londonの千住淳先生をお招きして「Development of Spontaneous Social Cognition」という演題でご講演いただきました。
 社会認知の研究では、環境の変化に対応するすばやく自然発生的な過程を計測しなくてはならないというお話からはじまり、主に研究なさっているアイコンタクトの発達について実験結果を示しながら詳しくお話してくださいました。 まず最初に、6ヶ月の乳幼児はアイコンタクトや赤ちゃん言葉といったシグナルをきっかけとして相手の視線を追うという美しい結果をお示しいただきました。社会的認知が生後の環境による影響を受けるかどうかを調べるために、日本とイギリスの子供を比較した研究では、日本の子供のほうがアイコンタクトの時間が長いといった意外な結果を紹介していただきました。 さらには、視覚障害の両親の元で育った子供の発達はむしろ通常の子供より早く、相手によってアイコンタクトと音声のコミュニケーションを柔軟に使い分けること、定型発達の大人はASD(自閉症スペクトラム障害)の大人に比べて、顔や目に視線が固定されやすいことなど数々の興味深い研究の成果を伺いました。 今後は文化的背景がASDの症状に与える影響を調べたり、よりリアルな環境で社会認知の研究を進めるなど、研究の発展の方向を見据えていらっしゃいました。 アイコンタクトの発達についての最近の知見を聞くことができ、とても勉強になりました。ヒトを対象とした実験をし始めたばかりの私ですが、今後の研究の参考にできることが多くありました。本当にありがとうございました。(安部)

...


2013102-4

 甘利俊一先生に特別集中講義をしていただきました。至福の3日間でした。 開始時には130名入れるセミナー室がすでに満席で、入場していただけない方も出るほどの盛況でした。25年ぶりの情報幾何学には、再度はねかえされましたが、甘利先生のライバルはポアンカレやピタゴラスであることは感得できました。ポスターにはサインとともに、若者に向けたお言葉をいただきました。私もお言葉にあやかって、がんばろうと思った次第です。本当にどうもありがとうございました。(北澤)

数理脳科学と情報幾何への誘い
甘利俊一 理化学研究所脳科学総合研究センター

レジメ
数理脳科学は、脳の回路における情報処理の奥に潜む基本原理を、数理科学として構築することを目指している。現実の脳はこの基本諸原理を永年の進化の過程を経て、極めて複雑な形で実現している。諸原理は、極めて単純な要素的理想的な回路を用いて提示できるはずである。これを数理脳科学への誘いとしたい。
本講義では、統計神経力学、神経場の力学、学習と自己組織の力学など、簡単なモデルを用いて数理的な考察を進める。また、神経パルスの解析などでは情報幾何を用いるので、それについても触れるつもりでいる。

参考文献:
 少し古いが
 甘利俊一、神経回路網の数理、産業図書、1978
 最近の計算論的神経科学の教科書としては
 R. Abbot and P. Dayan, Theoretical neuroscience: computational and mathematical modeling of neural systems. MIT Press, 2001.
また、情報幾何はいま単行本を執筆中であるが、しっかりしたものとしては(難しいが)
S. Amari and H. Nagaoka, Methods of Information Geometry, American Mathematical society and Oxford University Press, 2000 (岩波応用数理講座、「情報幾何」、1993の拡張翻訳版)

講義構想
1. 脳の宇宙誌:人間;数学;社会
2. 神経統計力学
 aランダム回路の巨視的ダイナミックス
  多安定、振動、カオス (注:balanced condition;inverse Gaussian)
b微視的ダイナミックス:引き込みの速さと独占定理;power law
(引き込みと。。。)
3. 神経場の力学 1Dと2D (cf. reaction-diffusion equation)
4. 学習と自己組織
 a 神経学習:一般化Hebb則
  教師あり学習と自己組織
   パーセプトロン、PCA, Hebb則
  特徴抽出細胞、deep learningのベクトル場 (STDP)
5. 神経場の自己組織
6. (2回)情報幾何入門:スパイク解析
  入門;統計的推論、セミパラメトリックモデル
  ニューロンの発火のパターンと発火率
  ニューロン集団のスパイク
   直交分解;共通雑音とdichotomized Gaussian Boltzmann machine
周辺座標系
7. 独立成分分析
   正定値分解、スパース解析へ (PCA dynamics)
8. パーセプトロンの学習力学
    deep learning; RBM; autoencoder
9. 意識の脳科学?;Tononi-大泉の理論

... ...
... ...



2013419

 東京大学の 坂井克之先生をお招きして「Neurobiology of Human Cognition」という演題でご講演いただきました。
 3月に竣工したCiNet棟の大会議室で第11回HHSセミナーとして開催されたセミナーは、英語で講演していただいたこともあり、国際色豊かな活気あふれるご講演となりました。
 今回のご講演は経頭蓋磁気刺激(Transcranial Magnetic Stimulation:TMS)と脳波を駆使して、ヒトの脳の結合の変化を様々な側面から明らかにするという非常に興味深いお話でした。最初に、前頭前野に磁気刺激を行った後の脳波の広がりが、課題や前回の試行によって変化するというとてもきれいな結果を示していただきました。その後も硬膜下電極を用いた研究や、2か所の磁気刺激で人工的にシナプス可塑性を引き起こす研究を紹介され、ヒト被験者を用いた研究でもこんなに様々なことが示せるのかととても興奮させられました。
 私はこれまで、マウスなどを用いた生物学的な研究とヒトを用いたシステム的研究の間には大きな乖離があり、とても残念だと思っていました。今回のご講演を聞き、生物学的な研究成果を、ヒトを用いた研究にも応用できることを知りとてもうれしく思いました。今回の講演で得た知識や考え方を、今後の自分の研究にも活かしていきたいと思います。非常に勉強になる御講演を聞かせていただき有意義な時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。(内村)


Speaker:
Dr. Katsuyuki Sakai
Department of Cognitive Neuroscience,
Graduate School of Medicine,
The University of Tokyo

Abstract:
Most of the studies to date on human brain functions rely on brain mapping techniques with which one examines how regional activation changes depending on various cognitive demands. Activation in a given region, however, is the result of inputs from other regions, and is also the cause of changes in activation in other regions. Therefore, in order to understand how the brain works, it is essential to examine neural signal transmission across regions. To this end, we have recently developed a technique of concurrent transcranial magnetic stimulation (TMS) and EEG recording and examined the efficacy of signal transmission across cortical regions. We found that the pattern of signal transmission from the prefrontal cortex is i) modulated in task-dependent manners, ii) modulated in history-dependent manners, iii) associated with behavioral performance, iv) distinct from the pattern of regional activation. We also found that the signal transmission v) is modulated in a direction-specific manner between prefrontal and parietal regions, and vi) changes in a temporally dynamic manner during cognitive processes. My idea is that synaptic mechanisms underlie these dynamic and persistent natures of neural signal transmission within the neural network. To test this idea, we are currently developing techniques i) to estimate synaptic efficacy using biophysical cortical models, ii) to examine the physiological basis of the changes in signal transmission using subdural and depth electrodes in epileptic patients, and iii) to manipulate the efficacy of signal transmission by artificially inducing synaptic plasticity. The goal is to measure and manipulate synaptic functions in the human brain by adapting techniques that have been used in animal and brain slice studies. These studies, I believe, will elucidate the neurobiological mechanisms of the human brain and cognitive functions, and promote sharing of ideas and knowledge between researchers working at different levels of neural organization.

References:
*Akaishi et al. Stimulation of the frontal eye field reveals persistent effective connectivity after controlled behavior. Journal of Neuroscience 30:4295-4305, 2010.
*Morishima et al. Task-specific signal transmission from prefrontal cortex in visual selective attention. Nature Neuroscience 12:85-91, 2009.
*Sakai. Task set and prefrontal cortex. Annual Review of Neuroscience 31:219-245, 2008.


...



2013318

 University College Londonの Elena Azañon先生をお招きして「Remapping touch from skin to space」という演題でご講演いただきました。
 手に何かが触れたとき、何が触れたかを見るためには、手の皮膚のどこかという情報だけで十分でしょうか。手は動かすことができるので、手が空間のどこにあるのかという情報も必要です。つまり、皮膚からの情報は手が空間のどこにあるのかという情報も加味して、空間の1点に"リマップ"される必要があるのです。Azañón先生は、crossmodal cueing effectを始めとする心理物理学的な手法や、頭頂葉への磁気刺激(TMS)による外乱、事象関連電位(ERP)の解析等を通じて明らかになった「リマップ」の神経メカニズムについてお話してくださいました。たいへん美しい実験パラダイムとデータに感銘を受けました。 今回はNTTの五味先生との共同研究で来日されたのを機会に、わざわざ大阪まで日帰りでお越しくださいました。次回はゆっくり観光も楽しんでいただけたらと思います。またのお越しをお待ちしております。(北澤)


Dr. Elena Azañón
University College London

Remapping touch from skin to space is an essential process for everyday behaviour. Because we can move our bodies in countless postures, the location of a touch cannot be defined merely by where a stimulus is felt on the skin. For example, a tactile sensation on, say the index finger of the right hand, might correspond to an object located anywhere in external space, depending on where our hand is. Thus, for tactile information to be used in orienting behaviours, like for instance, focusing spatial attention or even looking at the source of a tactile sensation, the skin location information must be remapped to refer the stimulus with respect to our own effectors and to other objects in the environment. Despite the clear impact of this process in terms of everyday life manipulation of objects or orienting, the study of tactile remapping has been mostly addressed indirectly or as a consequence of the analysis of other cognitive processes. The research presented here will attempt to provide some critical insights about how the tactile remapping system works, through the use of TMS, ERPs and psychophysical techniques, suggesting basic estimates for its time course and hinting at brain areas that might be directly implicated. I will also address the way posture changes might affect the accuracy with which touch is remapped, suggesting a certain amount of short term plasticity that allows for an adaptive use of postural information.


... ...
... ...



 2013年2月14日に、大阪大学大学院情報科学研究科バイオ情報工学専攻バイオシステム解析学講座の寺前順之介先生にご講演いただきました。演題は、「大脳皮質自発発火活動が示す強い不規則性の起源とその計算論的機能」でした。大脳皮質ニューロンの低頻度自発発火活動のパターンや、多点同時観測時に見られる多数のニューロンの自発発火活動の同期現象の生成メカニズムは、いままでうまく説明できていない大きな問題であったそうですが、先生は、最近これらをシンプルかつ一貫して説明可能な神経回路網モデルを提案されたとのことです。単純な相互結合型神経回路網モデルの素子結合の重み付けの分布を、多くの弱い結合と、少数の強い結合をとるようにすることで、上述の低頻度の自発発火活動や、複数ニューロンの自発発火の同期現象が出現することを発見されました。このモデルは脳波律動やその機能的役割の解明、さらには記憶のコーディングのメカニズム解明にも発展可能であるとのことでした。(高橋)






 2013年2月1日National Institute of Healthの安田正治先生に、" Robust Representation of Stable Object values in the Oculomotor Basal Ganglia "と題し、黒質の神経細胞が数百もの物体の持つ価値情報を長期間保持していることについてご講演いただきました。様々なフラクタル画像とそれに対応する報酬の量をサルに学習させると、長期間経た後でも、より報酬量の多い画像を好んで注視するようになり、さらにその時の黒質の神経細胞の発火率が報酬量によって変わるというデータを大変きれいに示されていました。似たようなフラクタル画像を多数見せているにも関わらず、100日間を経ても報酬の多かった画像を覚えているというお話には、非常に驚きました。(高橋)






2012914

第81回生命機能研究科FBSコロキウム
東京大学大学院薬学研究科 池谷裕二先生


 第81回生命機能研究科研究交流会は、東京大学大学院薬学研究科の池谷裕二先生をお招きし、「メゾスコピックな視点から眺めた脳回路の働き」というタイトルでご講演頂きました。
 池谷先生は、海馬の多数の神経細胞の活動を同時に計測する手法など、様々な革新的な手法を開発され、その手法を用いた研究成果が次々とトップジャーナルに掲載されており、世界をリードする気鋭の神経科学者です。さらに、10年ほど前から一般向けに最先端の脳科学を分かりやすく紹介した本を多数出版されており、いずれもベストセラーとなるなどして、国内外・専門内外で広くその名を知られております。そのためもあってか、研究交流会には、生命機能研究科のメンバーだけでなく、学内の様々な学科からの参加も多数あり、生憎のゲリラ豪雨にもかかわらず、総勢120名の方がご参加くださり、非常に大盛況となりました。
 ご講演の内容は、「神経発火には同期が必要か」という主題で、神経細胞の発火は実は極少数の非常に強いシナプスからの入力を受けて発火していること、大多数の弱いシナプスの働きは、いわゆる確率共振のメカニズムで強いシナプスからの入力の底上げをしていること、またシナプス強度の分布が対数正規分布になっていることなど、これまでの教科書に書かれているような神経細胞の発火に関する常識を全く覆し、新しい神経回路の発火メカニズムをご提唱されました。その新発見に至る道筋には、冒頭に紹介した革新的な手法の開発による新規な情報だけでなく、卓越した忍耐強さと緻密さが求められる実験を駆使した膨大なデータの取得、数理の知識を生かしたシュミレーションによる裏付けがあり、まさに完璧な研究とはこういうことか、と驚嘆するばかりでした。また、最先端の研究がふんだんに盛り込まれたご講演でしたが、色々な例え話もあり、専門を問わず誰もが面白いと思える非常に明快なご説明で、講演中は会場全体が興奮した熱気に包まれました。講演後の意見交換会でも、池谷先生を取り囲んで活発な議論が行われました。(中野)


...



201299

  Symposium : Mirror neuron: 20years after the discovery
シンポジウム: ミラーニューロンの発見から20周年

日時:2012年9月9日(日) 9:20開始
会場:京都大学 百周年時計台記念館 大ホール

御講演者 講演時間:speakers & time table

  • 9:25-10:10 Dr. Tamami Nakano (Osaka University)
    "Interpersonal synchronization of spontaneous eyeblink"
  • 10:10-10:55 Dr. Masahiro Hirai (Aichi Prefectural Colony)
    "Action from dots: Neural mechanisms underlying biomotion perception"
  • 11:05-11-50 Dr. Kenji Ogawa (ATR)
    "Neural representation of observed object-directed actions in the parietal and premotor cortices"
  • 13:05-14:25 Dr. Masaki Isoda (Kansai Medical University)
    "Probing the neural correlates of self and others' actions in monkey medial frontal cortex"
  • 14:40-16-40 Prof. Giacomo Rizzolatti (Universita degli studi di Parma)
    "The mirror mechanism: its different functions"
  • 16:45-17:45 -General discussion- discussant Prof. Toshio Inui
主催:京都大学・乾敏郎,大阪大学・北澤茂,NICT・内藤栄一,近畿大学・村田哲


 ミラーニューロンの発見でご高名なパルマ大学のリゾラッティ先生のご来日を記念して、ミラーニューロン発見20周年の記念シンポジウムが開催されました。リゾラッティ先生は、ミラーニューロンの神経発火しているのが非常によくわかるサルの実験の様子を映した映像を多数用意してくださり、発見当時の興奮が今なお喚起されるようなご講演でした。シンポジウムの前半は若手の研究者が講演をしたのですが、当研究室の中野も、自発性瞬目に関する行動と脳活動の研究を発表し、質疑応答が活発に行われました。






2012615

東京大学大学院 新領域創成科学研究科 天野薫先生


 2012年6月15日(金)17時より東京大学大学院 新領域創成科学研究科・科学技術振興機構 さきがけ研究員でおられる天野薫先生に視知覚の神経相関 -MEGとfMRIを用いた検討-という題でご講演いただきました。講演では、1.視覚運動情報の空間統合に関する神経機構,2.hMT+野,V4野におけるポピュレーション受容野推定,3.視覚情報処理におけるアルファ波の機能、と様々な視点から視覚の神経メカニズムの解明に迫る、非常に内容の濃いお話をしていただきました。
 最初に動いている物体の方向を判断する際に、脳磁図によって得られた波形の積分値が閾値に達した時に判断が生じるという話をされました。脳磁図を用いた実験でも電気生理学的手法と同様な解析を行うことができることは驚きでした。また、局所的には曖昧な視覚運動が空間的に統合されて全体運動が知覚される刺激(Global-Gabormotion)を用いられた研究では、高度な理論に裏打ちされた研究であり、このような洗練された研究を行っていきたいと感じました。
 スタンフォード大学留学中にfMRIを用いて行われたhMT+野ならびにV4野の受容野の推定のご研究は、空間上の位置だけでなく広がりまで含んだ受容野の推定方法を開発されたり、高解像度で精密に撮像を行うことで従来の学説とは異なりV4野でも半視野全域の受容野があることなどを発見されました。実は脳表面の太い血管の存在により一部の情報が欠落していたがために、V4野の受容野の推定がこれまで誤っていた可能性を明快なデータで分析しており、常に研究方法や解析が本当に正しいのかを、自分の目で確かめながら研究を進めていかないといけないと、大変勉強になりました。
 最後に、ジター錯視が10Hzの振動であることは、α帯域の脳活動がクロックとして働いているからであるという話や、運動誘発盲を用いた研究によりα帯域活動がMTから一次視覚野へのフィードバックが意識の成立に不可欠であるという話は、大変面白かったです。一般的にも馴染み深いα帯域の脳活動が時間の調整や意識の成立に関わっていることは非常に興味深く、今後の研究の進歩を期待したいと思いました。
 17時に始まった講演は19時過ぎまで続き、その後も白熱した質疑応答が展開されました。大変勉強になりかつ興味深いお話であり、特に今後脳磁図を用いて研究を行っていくには非常に参考になる素晴らしい講演だったと思います。本当にありがとうございました。(内村、中野)


...



201259

  Lyon Neuroscience Research Centre  Yves Rossetti教授
「Visuomotor adaptation, mechanisms, products, and neural substrates


 2012年5月9日15時30分よりLyon Neuroscience Research Centre(フランス)のYves Rossetti先生に、「Visuomotor adaptation, mechanisms, products, and neural substrates」という演題でご講演いただきました。Rossetti先生はプリズム順応を用いて、運動学習のメカニズムの解明から、半側空間無視患者への臨床応用など幅広い分野で世界をリードする研究をされている第一人者です。今回の御講演でも、健常者から両側頭頂葉障害の患者にわたる研究の最新のデータを提示してくださり、非常に興味深い話をたくさん聞くことができました。特に、径頭蓋直流電気刺激法(tDCS)を用いたデータは非常にきれいなものであり、驚きに値するものでした。今回の御講演を聞き、プリズム順応において未解明の部分が非常に多く残されていることを実感いたしましたが、Rossetti教授はその問題点を着実に解明していると思いました。私もプリズム順応を用いて研究を進めているため、Rossetti教授に負けないような貢献をしたいという気持ちを強く持ちました。  講演後はグリルミネルバで懇親会となりました。懇親会の席では、大の日本通で知られるRossetti教授の面白い話をたくさん聞かせていただきました。前日にフランスから日本にいらっしゃった疲れも残っている中、非常に勉強になる御講演と面白いお話を聞かせていただき有意義な時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。(内村)


... ...



2012417

北陸先端科学技術大学院大学  田中宏和先生
「第一次運動野は空間ベクトルの外積を用いて到達運動ダイナミクスを計算する」


 北陸先端科学技術大学院大学の田中宏和先生に、「第一次運動野は空間ベクトルの外積を用いて到達運動ダイナミクスを計算する」という演題でご講演いただきました。講演は、脳の一次運動野が力を表すのか、方向を表すのかという長年の論争の解説から始まりました。その後、関節角で表現した腕の運動方程式は項が多くてわかりにくいのに対し、空間ベクトルの外積で表現すると圧倒的に簡単に表現できて理解しやすくなるという革新的なお話をされました。さらに、空間ベクトルの外積を用いると、関節角を計算しなくても直接、トルクや力を計算できることを示されました。この理論によって、今まで実験的に得られたデータを良く説明できることに強く納得させられました。その後運動学習などへの応用の話もされ、今後の課題として身体イメージの問題を挙げられたところで、講演は終了いたしました。今回の講演は、理論的に高度な内容でしたが、田中先生がわかり易く講演して下さったので、いかにすばらしい画期的な理論であるかがよく理解できました。今後の研究を進めていくうえで非常に有意義な時間になったと思います。本当にありがとうございました。(内村)


...




研究室一覧へ戻る