おもろい研究!君ならできる、ここでできる|新しい生物学・生命科学を拓く大学院|大阪大学大学院生命機能研究科

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おもろい研究のススメ

大阪大学
大学院生命機能研究科
研究科長

大阪大学生命機能研究科が目指しているのは「おもろい研究」です。これを聞くと、「大阪のイメージにひっかけて、笑いを取ろうとしてるんだろう」と誤解される方が稀にいますが、そうではありません。研究科のメンバーは(少なくとも私は)、おもろい研究こそがすばらしいと確信して、日々研究に邁進しているのです。ではなぜ、「役に立つ」や「重要な」ではなく「おもろい」が大事なのか。それを分かっていただくには「おもろい」の本質を説明する必要があり、それにはやはり、大阪文化の象徴である「漫才」を例にするのがわかりやすいでしょう。

漫才は、「2人組で披露される会話による演芸」(Wikipediaの定義を要約)ですが、「ボケ・突っ込み」の掛け合いにその特徴があります。どんなに興味深い話題でも、それを普通に話して普通に答えていたら、話芸になりません。ですからボケ役は、通常の会話からは出てこない想定外の返答(ボケ)により、会話を混乱させる必要があるのです。もちろん、単に想定外なだけではだめで、「なるほど、そんな見方もあるのか!」と観客が納得する説得力も必要であり、この意外性と説得力のバランスが漫才師の腕の見せ所です。一方、ボケによって飛び跳ねた会話を、通常の価値観に引き戻すのが突っ込みの役目です。会話の混乱が解消され、お客が安心することで、笑いが生まれます。また、一般常識に着地しておくことは、次にボケるために必須の条件でもあります。うまくできた漫才では、突っ込 みによるボケの解消が、次のボケの布石となることで、話はどんどん膨らんでいき、ついには爆笑の渦を生みだすのです。

研究の面白さは、これとよく似ています。漫才におけるボケと同じで、常識的なテーマを通常の手法で解析しろと言われても、モチベーションが湧きません。やる気を出すためには、自分自身の疑問・仮説、あるいは夢が必要です。それが、これまでの研究の常識からは容易に出てこない、すなわち、「想定外」のものであるほど楽しい。もちろん、単なる妄想では話になりません。「きっと実現する」という期待が持てることが必要です。突っ込みに対応するのは、実験による証明です。実証することで、空想でしかなかったアイデアが現実の世界に着地し、新たな事実として認識される。世界中の論文の読者は吃驚してくれます。さらに、問題の解決は次なる疑問を生みだし、研究がどんどん膨らんでいけば、生命科学に革命が起きるかもしれません。どうです、ワクワクしませんか?

要するに「おもろい研究」とは、研究者の自由な発想・価値観に主導される研究のことなのです。研究における最大の価値はオリジナリティですから、「おもろさ」を追求することが、逆に「役に立つ」・「重要な」につながる最短の道なのですが、そのような価値観はとりあえず横においておきましょう。「おもろい」を追求したい研究者が集まり、切磋琢磨すれば、何かが生まれるはずであり、大阪大学生命機能研究科は、それができる自由な環境を可能な限り提供したいと考えます。自分にとっての「おもろい」を追求したい研究者、学生の皆さん。ご連絡をお待ちしています。

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生命機能研究科概要

生命体は、核酸、遺伝子、蛋白質、生体膜といった要素によって構成されています。これらは、遺伝子工学、分子生物学、生理学など、医学・生命科学の研究分野によりもたらされましたが、20世紀の生命科学の発展によって、その解明作業は急速に進みました。生命機能が成立するための基盤の知識が整ったのです。しかし、生命は物質や生体部品の単なる寄せ集めで成り立っているのではありません。それらが極めて動的に絡み合いながら、刻々と変化することによって、初めて生命体システムが成り立ち、多様な機能を生み出しているのです。

生命科学の発展の成果を反映して、細分化されていた従来の枠組みはその意義を失いつつあり、生命科学は、事実上3つに再編されています。まず、20世紀の学際的成果を基礎として、「生命機能学」があります。 これとともに、生命体を構成する物質についての科学である生命物資学、ヒトをはじめとする生物と自然のかかわりについての科学である環境・生態学が、生命機能学と肩を並べつつ、今後の生命科学を担ってゆきます。

「生命機能学」とは、生きた生命体がシステムとして実現する様々な機能について、その原理と機構を解明する科学です。その発展のためには、従来の医学・生命科学の再編だけでは不十分であり、工学、物理系理学との融合が必要です。大阪大学大学院生命機能研究科は、第一線で活躍する研究者を大学内外から集め、医学系、工学系、理学系の学問を融合した新しい教育・研究体系を創りました。生命機能学に特化しつつ、これからの生命科学の本流の推進という明確な使命を担っています。

本研究科は1専攻7講座で組織されています。前期と後期を区分しない5年一貫制の博士課程により、医学・生命科学と物理学、工学の最先端技術や理論を使いこなし、次世代の生命科学研究の最先端で活躍する人材を育成します。