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Dnmt3aを介した代謝エピジェネティクスは破骨細胞分化の制御にかかわる

論文誌情報 Nature Medicine 21, 281-287 (2015)
著者 西川恵三(1,2,3,4),岩本依子(1,2,3,4),小林泰浩(5),勝岡史城(6,7),川口真一(6),辻田忠志(6),中村貴(8),加藤茂明(9),山本雅之(6,7),高柳広(10),石井優(1,2,3,4)

  1. 大阪大学大学院生命機能研究科
  2. 大阪大学免疫学フロンティア研究センター
  3. 大阪大学大学院医学系研究科
  4. JST-CREST
  5. 松本歯科大学総合歯科医学研究所
  6. 東北大学医学系研究科
  7. 東北メディカル・メガバンク機構
  8. 慶応義塾大学
  9. 相馬中央病院
  10. 東京大学大学院医学系研究科
論文タイトル DNA methyltransferase 3a regulates osteoclast differentiation by coupling to an S-adenosylmethionine-producing metabolic pathway.
PubMed 25706873
研究室HP 免疫細胞生物学研究室〈石井教授〉

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解説

 細胞はいつ、どうやって自分の運命を知るのでしょうか。従来の理解によると、様々なサイトカイン・成長因子が細胞の分化・運命を制御すると考えられてきました。本研究では、マクロファージ系細胞の1つで関節リウマチなどの慢性炎症で骨を破壊・吸収する破骨細胞への分化・運命決定が、サイトカインだけでなく、その細胞の置かれた環境(特に代謝状態)が細胞内のDnmt3aによるエピジェネティク制御を介して巧妙に調節されるという、全く新しい概念を明らかにしました。
 近年、全国民の4人に1人が65歳以上の超高齢社会を迎えている本邦では、加齢に伴う骨粗鬆症の患者数増加が大きな社会問題となっています。今回、Dnmt3aが骨粗鬆症の治療標的として有効であることも明らかにしました。今後、破骨細胞の分化にかかわる新たな制御様式であるエピジェネティク制御を創薬標的とすることで、新たな骨破壊抑制薬の開発につながることが期待されます。

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