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ミオシンVは2回の90度ブラウン回転運動によって36nmステップの歩行をする。

論文誌情報 Nat Struct Mol Biol 14, 968-973 (2007)
著者 Komori,Y., Iwane,AH and Yanagida,T.
論文タイトル Myosin-V makes two brownian 90° rotations per 36-nm step
PubMed 17891151
研究室HP

要旨

ミオシンVはアクチンフィラメントの上を歩くように運動することで小胞輸送を行う 分子モーターである。1分子レベルの解析からミオシンVの36nmステップ1歩につき2度 の90度回転が起こることが明らかになった。回転方向はランダムであり、ミオシンV は回転ブラウン運動を利用して運動すると考えられる。ミオシンVはランダムな回転 運動を行うことで省エネルギーで働くことができる。

Fig.1 ミオシンV回転計測の模式図

ガラス表面に特異的に結合したミオシンVに蛍光標識したアクチンフィラメントを相 互作用させ、アクチンフィラメントの回転を蛍光顕微鏡で観察した。

Fig.2 アクチンフィラメントの蛍光像

0710fig2_800.jpg 観察された蛍光アクチンフィラメントの回転の連続像。

Fig.3 ミオシンVの90度回転と歩行運動のモデル

0710fig6_800.jpg ミオシンがアクチンフィラメント上を運動する様子。 ミオシンの運動方向はアクチン フィラメントの矢印で示す。 状態1 ミオシンVの両方のモータードメインがアクチンフィラメントと結合した状 態。前足と後ろ足がそれぞれ+90度および-90度ねじられた状態(右)と-90度および +90度ひねられた状態(左)の2通りが存在する。 状態2 進行方向後方のモータードメインがアクチンフィラメントから乖離し、前足 のねじれのため-90度または+90度回転する。 状態3 乖離していたモータードメインが+90度または-90度回転してアクチンフィラ メントに再結合する。状態1と同様の状態になる。 状態4 進行方向後方のモータードメインがアクチンフィラメントから乖離する。