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プロトカドヘリンα遺伝子クラスターの可変領域エキソンは、単一ニューロンにおいて片側対立遺伝子由来であり、複数の組合せ発現をしている。

論文誌情報 Nat Genet 37, 171-176 (2005)
著者 Esumi S, Kakazu N, Taguchi Y, Hirayama T, Sasaki A, Hirabayashi T, Koide T, Kitsukawa T, Hamada S, and Yagi T.
論文タイトル Monoallelic yet combinatorial expression of variable exons of the CNR/Protocadherin-a gene cluster in single neurons.
PubMed 15640798
研究室HP 心生物学研究室〈八木教授〉

図1 単一神経細胞でのCNR/プロトカドヘリンα遺伝子発現様式。 単一プルキンエ...

要旨

多様化したプロトカドヘリンα遺伝子群(Pcdha、カドヘリン関連神経受容体(CNR)とも呼ばれる)は脊椎動物の脳において発現している。そのゲノム構造は、免疫グロブリン(Ig)やT細胞受容体(TCR)遺伝子と同様に、多数の可変領域エキソンと1組の定常領域エキソンを含んでおり、ニューロンの識別にこの多様性が利用されている可能性がある。マウスのC57BL/6系統とMSM系統を識別する遺伝的多型を利用し、我々は個々のニューロンにおけるPcdha遺伝子クラスターの対立遺伝子における発現様式を解析した。単一のプルキンエ細胞を分注してRT-PCR反応を行う解析により、Pcdha遺伝子はそれぞれの可変領域エキソンが片側対立遺伝子に由来しており、また複数の組合せ発現をしていることが示された。この報告は、多様な受容体ファミリーでの対立遺伝子発現制御が中枢神経系で観察された最初の知見である。Pcdha遺伝子のもつ多様な可変領域エキソンで対立遺伝子が組み合わさって発現することは、脳におけるニューロンの独自性を特徴づけるための機構である可能性がある。

図1 単一神経細胞でのCNR/プロトカドヘリンα遺伝子発現様式。

Yagi05.jpg 単一プルキンエ細胞では、αアイソフォームが複数の種類発現し、各アイソフォームは別々の染色体に由来していた。図ではF1マウスの単一プルキンエ細胞において、α4が母親(B6)由来の染色体、α6が父親(MSM)由来の染色体から発現している。