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分子モーターの運動ゆらぎから見た化学力学エネルギー変換のカップリングについて

論文誌情報 Physical Review Letters 101, 128103 (2008)
著者 Masatoshi Nishikawa, Hiroaki Takagi, Tatsuo Shibata, AtsukoH. Iwane, and Toshio Yanagida
論文タイトル Fluctuation Analysis of Mechanochemical Coupling Depending on the Type of Biomolecular Motors(分子モーターの運動ゆらぎから見た化学力学エネルギー変換のカップリングについて)
PubMed 18851416
研究室HP

要旨

生体分子モーターの動作原理解明に向けて、エネルギー変換のカップリングを知る必要があるが、詳 細な理解は未だ得られていない。そこでわれわれは運動ゆらぎの計測と理論解析を用いてこの問題を明らかにした。その結果、多分子で機能するミオシン2は外部環境に応じた可変のカップリングを持つ ことを示した。さらにミオシンは自身のサイズより10倍大きな変位を発生させることができ、運動効 率が非常に高いことを明らかにした。ここで得られた知見は、多様な外部環境に応じて柔軟なふるま いをする多分子システムのふるまいが分子の特性から記述できることを示唆しており、蛋白分子の機 能の高級さを考える上で大きな意義を持つ。

解説

Virtual Journal of Biological Physics Research (10月号)に 選抜

Fig.1 ミオシンは協同して状況にあわせて1ATPサイクル中の滑走距離を調節する(ルースカップリング)

fig1_300.jpg

Fig.2 ミオシン2, 5の運動速度が示すATP濃度依存性

fig2_300.jpg

Fig.3 平均の運動速度に対する運動速度のゆらぎの依存性

fig3_300.jpg 結晶構造等の研究から提唱されている運動モデル(実線)ではミオシン2(黒丸)の運動は説明できない。

Fig.4 われわれが提唱した新たな運動モデルのシミュレーションと実験結果の比較

fig4_300.jpg 実験結果をよく再現していることが確認できる。