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コケイン症候群B群遺伝子産物の完全欠損は、コケイン症候群ではなく紫外線高感受性症候群を発症する。

論文誌情報 Proc Natl Acad Sci USA 101, 15410-5 (2004)
著者 Horibata K, Iwamoto Y, Kuraoka I, Jaspers NG, Kurimasa A, Oshimura M, Ichihashi M, Tanaka K.
論文タイトル Complete absence of Cockayne syndrome group B gene product gives rise to UV-sensitive syndrome but not Cockayne syndrome
PubMed 15486090
研究室HP 細胞機能学研究室〈西條准教授〉

図:免疫蛍光染色法によるCSB蛋白質の検出。 上段:核内DNAの染色 中段:CS...

要旨

紫外線高感受性症候群(UVsS)はTCRに異常を持つが、コケイン症候群(CS)と異なり神経症状や早期老化徴候は示さない。単一染色体導入法によりその原因遺伝子のクローニングを行い、原因遺伝子座位が10番染色体にあること、それがコケイン症候群B群(CSB)遺伝子のヌル突然変異が原因であることを明らかにした。これまでのCSB機能の概念では、このUVsS患者が何故CS徴候(身体発育不全、精神神経症状、早期老化)を示さないのかが説明できない。CSB 変異のデータベース解析から、CS症候を示す CS-B患者では寧ろ何らかの変異CSB蛋白質が生成されていることが示唆され、実際、ウエスタンブロットで短縮CSB蛋白質が同定された。変異CSB蛋白質が、RNAポリメラーゼIIやRNAポリメラーゼIの転写機能、pre-mRNAスプライシング機能、さらには、酸化的DNA損傷の修復機構に何らかの阻害効果を持ち、そのことがCS徴候の発症に関連していると考えた。一方、UVsSでは全く変異CSB蛋白質が存在ないため、このような阻害効果がなく CS徴候を示さないと考えた。

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図:免疫蛍光染色法によるCSB蛋白質の検出。 上段:核内DNAの染色 中段:CSB蛋白質の染色 下段:DNAとCSB蛋白質の共局在。 正常細胞(左のカラム)では核内にCSB蛋白質が検出される。紫外線高感受性症候群(UVsS)細胞(真ん中のカラム)では全くCSB蛋白質は検出されない。CS-B患者細胞(右のカラム)ではCSB蛋白質は減少しているが核内に検出できる。