GCOE外国人研究者等セミナー

森松賢順(ナノ生体科学講座 ソフトバイオシステム研究室(柳田研究室))

演題 Structural Dynamics of Myosin by Time-resolved EPR
演者 Prof.David D. Thomas
(Department of Biochemistry, Molecular Biology, and Biophysics, University of Minnesota, USA)
日時

2009年 11月2日(月) 13:30-15:30

場所 吹田キャンパス ナノバイオロジー棟 3Fセミナー室






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報告

 D.D. Thomas教授はタンパク質の構造変化をナノメートルの精度で計測可能なEPR,FRET等の技術を用いて、アクトミオシンの運動機構の解明を目指して研究をしている。今回のセミナーにおいて、主に以下の2つの内容について講演を行った。

(1) ATP加水分解前のミオシン分子のネック部位の曲げ

 ミオシン分子はATP加水分解で得られた化学エネルギーを使い、レール分子であるアクチンフィラメント上を運動する。DEER、FRETの技術を用いる事で、ATP加水分解の前にミオシン分子のネック部位が一度曲げられることをThomas教授は明らかにした。またこの曲げの生理的重要性やこの曲げを考慮したアクトミオシンの運動メカニズムの必要性を説明した。

(2) アクチンフィラメントとミオシンとの協同性

 ミオシンの相互作用に伴うアクチン分子の構造変化を計測した結果、ATP非存在下では協同性が存在することが明らかにされた。この実験結果は、アクチンフィラメントが単なるレール分子でないことを示唆するものである。

 また、セミナーの前後には柳田研究室の研究員や学生と研究に関して活発な討論を行った。討論中に於いて、Thomas教授は研究に関する情報交換や問題解決方法の提示をして頂き、有意義な時間をお互いに過ごすことができた。




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