GCOE外国人研究者等セミナー

中園貴之/青山めぐみ (脳神経工学講座 視覚神経科学研究室(大澤研究室))

演題 AMPA Receptors Are Locally and Briefly Exocytosed Following Single Spine Stimulation.
演者 Mr. Michael A. Patterson
(Department of Neurobiology, Duke University Medical Center)
日時

2009年 7月17日(金) 17:00-18:30

場所 豊中キャンパス 基礎工学部J棟4階Room418






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報告

 記憶や学習には神経細胞間のシナプス結合の組み合わせや結合の強さによると考えられ
ている。この結合の強さなどはlong-term potentiation (LTP)により変化することが知ら
れており、中枢神経系ではAMPA受容体がグルタミン酸の主な受容器である。本セミナー
ではMichael A. Patterson氏らがAMPA受容体の変化量及び応答時間に関して調べた研
究について述べていただいた。
 Michael A. Patterson氏はケイジドグルタミン酸のアンケイジングにより、AMPA受
容体を刺激し、その時の各spineでのAMPA受容体の変化量をAMPA受容体表層を蛍光標
識しAMPA受容体を可視化することにより調べた。その結果、刺激後すぐにAMPA受容体
がスパインで増大し、30分以上その状態を保持し続けることが確認された。また、既存
のAMPA受容体をブリーチングした後ケイジドグルタミン酸をアンケイジングすることに
より、エキソサイトーシスにより新たに運ばれたAMPA受容体のみを観察した。その結果
アンケイジングをしている最中、少しの間だけエキソサイトーシスの割合が増えているこ
とが確認された。このエキソサイトーシスは刺激を加えたスパイン及び2-3ミクロン付近
のデンドライトで起こっていた。
 今までの研究ではAMAP受容体を通過したCa量の変化やRasの活性、CaMKIIの活性な
どの時間的な変化や刺激部位からの空間的な変化などに関して調べられていたが、今回の
研究によってそれらの基となる受容体の変化が判明した。この変化がシステムとしてどの
ような意味、効果を持つのか、ひいては記憶や学習のメカニズムの解明に期待したい。


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